昭和5年11月川勝政太郎主幹により創刊され、年10回のペースで途切れることなく発刊。2019年12月号をもって900号に到達した伝統ある雑誌。
取り扱う内容は庭園から建築、美術、仏像等幅が広いが、とりわけ五輪塔や宝篋印塔に代表される石造美術については、本誌によりジャンルとして確立したと言っても過言でないほど。
そもそも「石造美術」という言葉自体、川勝主幹が唱えだしたもので、それまで身近にありながらあまり顧みられることがなかった石造美術に光を当て、その文化財としての価値を見出した功績はとても大きい。
しかもほぼ独力で日本中の石造美術を研究し体系化するなど、未だに多くの研究者や愛好の徒に影響を与え続けている、まさに石造美術界の巨人である。
「史迹と美術」はそういった主幹の遺志を継ぎ、主幹亡き後も日本の伝統文化の素晴らしさを研究し、世に伝え続けている。
日本の伝統文化、とりわけ石造物について興味はあるけどよくわからないという人には是非とも一読していただきたい。