印刷会社のお仕事~その1

私は京都の某老舗印刷会社で編集の仕事をしていますが、編集の仕事というと出版社の編集のイメージで自分でネタを拾ってきたり、偉い作家先生の担当になって原稿を書いてもらったり、そのための資料を集めたり、そういう風に思われるかもしれません。

しかし、印刷会社の編集は違います。印刷会社の編集は自ら企画して能動的に雑誌や本を作ることはしません。編集長や編集事務の人は外部、つまり依頼者側におられて、私どもはその指示に従って雑誌や本を作るだけです。もちろん定期的に刊行されるジャーナルなどではルーチンが決まってますので、編集長が関わるのは最後の全体校正の確認のみということもありますが、先方の編集事務の方とは常にやり取りをして、原稿なども概ね編集事務の方から入稿されます。

細かいことを言うと、私の会社では編集事務や編集査読を請け負ってるジャーナルがありますので、その場合は編集事務の仕事は私の会社の社員が担当ということになりますが、それとて掲載内容については外部の編集委員会で決定しています。

したがって、私どもの仕事は技術的な仕事がほとんどで、入稿された原稿のデータの確認、データに不備があれば先方の編集事務員や投稿者にデータの再提出を依頼、データの確認が終われば自社の組版担当(DTP)に校正の作成を依頼し、組みあがってきたものの体裁が崩れていないか等の内校作業、問題がなければ著者への初校出し、その際誤字脱字、内容におかしい点等があれば勝手に直すのではなく著者に申し送りをして確認してもらいます。

初校出しまで行ければ、とりあえず一息付けます。因みに今日は初校を二十件くらい送ったので、かなりすっきりしました。もちろん「史迹と美術」の校正も含まれます。その後は戻ってきた校正の直しをして再校。さらに必要があれば三校を送る場合もあります。ジャーナルによっては校正を見るのは初校1回きりということもあります。

その2へ続く

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